柳沢厚労相、与党内に「辞任やむなし」強まる 参院自民幹部「後は本人の判断」  柳沢厚生労働相が女性を「子供を産む機械」に例えた問題で、与党内で31日、柳沢氏の辞任もやむを得ないとの声が強まった。参院自民党幹部は国会内で記者団に「(柳沢氏は)辞めないなら辞めないでいいが、辞めるなら早い方がいい」と述べた。別の参院幹部は「後は本人の判断だ」と指摘した。  自民党の矢野哲朗・参院国会対策委員長は31日昼、国会内で、塩崎官房長官と会談し、「06年度補正予算案の審議は乗り越えても、07年度予算案の審議はもたない。参院選にもマイナスだ」と述べ、辞任を含めた厳しい対応が必要との考えを伝えた。塩崎氏は「(職務を全うしてもらうとの)既定方針で理解をしてほしい」と述べた。別の同党閣僚経験者も「すぐ辞めるべきだ。かばい続けると、矛先が首相に向けられる」と述べた。  安倍首相は31日午前の参院本会議で「私も深くおわびする。柳沢厚労相も深刻に反省しており、国民の信頼を得られるよう全身全霊を傾けて職務を全うしてもらいたい。国民の理解をたまわるようお願いする」と述べた。これに先立ち、首相は参院自民党幹部に電話をかけ、「(柳沢氏を)内閣に残したいので理解して欲しい」と要請した。  柳沢氏は31日朝、都内の議員宿舎で記者団に「本当に深く反省している。これからもしっかりやっていきたい」と述べ、引き続き閣僚としての職務を果たす意向を示した。  自民、公明両党の幹事長、国対委員長らは同日午前、都内のホテルで開いた会合で「発言は不適切だったが、その場で謝罪、撤回し、国会で再三反省の弁を述べている」として、辞任の必要はないとの考えで一致した。また、同日午後に衆院予算委員会で開かれる2006年度補正予算案審議について、民主党などが欠席しても、粛々と進め、2月2日の委員会採決、衆院通過を目指す方針を確認した。  公明党の北側幹事長は記者会見で「厳しい意見があるのは当然だが、閣僚辞任とは別の問題だ。政府・与党が結束して対応しなければならない」と語った。  一方、民主、共産、社民、国民新の野党4党の国会対策委員長は31日午前、国会内で会談し、柳沢氏の辞任を求める方針を確認した。民主、社民、国民新の3党は柳沢氏が辞任しなければ、衆院予算委の審議に応じない方針だ。