◆「移籍感謝したい、1人以外はね」   【ロンドン=千葉直樹】サッカーのスペイン1部リーグ、レアル・マドリードからイタリア1部リーグ(セリエA)、ACミランへの移籍が30日に正式発表されたFWロナウド(元ブラジル代表)=写真はAP=。来季まで残るレアルとの契約を破棄、4年半ぶりのセリエA復帰となる。しかし、2月から再開される欧州チャンピオンズリーグ(CL)には、今季すでにレアルの一員としてプレーしているため、規定により出場できない。          ◇  球団で話し合いを終えたロナウドは30本近いマイクに囲まれて「人生を大切にしてこれからの成功に懸けたい。ファンや周囲の仲間に感謝したい。ただし一人を抜かしてね」と話して周囲を驚かせた。  この「一人」がレアルのカペッロ監督を指している事は想像に難くない。太りすぎなど体調管理の失敗もあったが、規律に厳しい同監督が就任した今季は出場が極端に減った。「試合に出るためにはもっと減量が必要だ」という監督に「僕は監督に信頼されていない」。本人は発言を否定するが、にぎやかな場外戦の末の移籍決定となった。  4年半ぶりにミラノに戻る。今回の移籍金は、2002年にインテル・ミラノからレアルに移籍した時の4500万ユーロ(推定)の6分の1に減ったが、2度にわたる右ひざのじん帯断裂という大けがを乗り越えた土地は、“怪物”が復活をかけるためにふさわしい場だ。  欧州CLには出場できないが、不正事件で勝ち点を削減されて現在9位のミランを、来季出場権を得る国内リーグ4位以内に押し上げる戦力としての期待がかかる。