◆41歳西沢、防衛失敗   ボクシング・東洋太平洋ライトヘビー級タイトルマッチ12回戦(30日・後楽園ホール)――王者の西沢ヨシノリ(41)(ヨネクラ)は同級1位のヒース・ステントン(31)(豪)に0―3の判定で敗れた。世界や日本の王座を含めた国内歴代最年長チャンピオンだった西沢だが、初防衛に失敗した。戦績は28勝(16KO)18敗5分け。11日に41歳になった西沢は、試合後は進退を保留。引退勧告も検討中の日本ボクシングコミッションは、来週中に結論を出すとしている。  ◆「定年延長」衰えはっきり   よく引き締まった「中年の星」の肉体は、腹のたるんだ31歳のステントンより、ずっと若々しく見えた。ただ、それは開始ゴングが鳴る以前の話――。  西沢は相手のパンチが「見えていた」という。しかし、体が反応しない。ボディーを狙って踏み込むたびに、左フックや右ストレートのカウンターを食らい続けた。中盤から、フットワークも衰えた。残念だが、41歳という年齢をハッキリと感じさせる戦いだった。  いつもは雄弁な男だが、試合後の記者会見で再三、言葉に詰まった。最後は「負けたんで、これ以上言うことはない」。  ボクサーの定年は、基本的に37歳。その後の現役続行は、あくまでも実力ある選手ゆえに認められた「特例」だ。この日の自分が、それにふさわしいボクシングを見せられたか、西沢自身が一番よく分かっていることだろう。(込山駿)  写真=防衛戦に敗れた西沢(右)