◆女子は新谷4位最高   【長春(中国)=読売新聞取材団】日本勢は、スキー距離の男子スプリントで恩田祐一(アインズ)、スノーボードのハーフパイプ男子で国母和宏(北海道・登別大谷高)が優勝し、金メダル2個を加えて通算を金5、銀2、銅3としたが、ショートトラック男女で決勝に進めないなど、スケート種目の不振が目立った。  スピードスケートの男子五百メートルは、及川佑(びっくりドンキー)が1回目35秒52、2回目35秒36の合計1分10秒88で銅メダル。加藤条治(日本電産サンキョー)は4位、長島圭一郎(同)は9位。李康セキ(韓国)が1分10秒30で優勝した。女子五百メートルは王北星(中国)が制し、日本勢は新谷志保美(竹村製作所)の4位が最高だった。  カーリングの日本は、男女ともに通算成績を3勝1敗とし、銅メダル以上が確定的になった。  ◆連戦疲れ、日本勢形無し   及川が何とか3位に滑り込み日本は踏ん張った。だが「メダル2個」(長田照正監督)のはずの五百メートルで、男女とも韓国、中国勢に敗れたことは痛い。  連戦の疲れや別大会にピークを合わせたことが敗因という。今季ワールドカップ(W杯)で4勝し、種目別ランク2位の長島は、直前の20〜21日にノルウェーで行われた世界スプリント選手権から続く疲労を引きずっていた。「本当は勝ちたかったから残念。でも体がついてこなかった」と9位の惨敗レースを振り返った。年間を通じたスタミナ作りの課題がシーズン終盤で噴き出した形だ。3月のW杯カルガリー大会と世界距離別選手権を目標にしていた選手もいた。  対して女子1位の王北星ら中国勢は世界スプリントを回避しアジア大会に専念した。長田監督は「地の利、(地元での)練習量の差が出たかも」と話す。だが、韓国勢は世界スプリントも含め、日本と同様の強行日程で臨んでいる。長島は「こういう中でも勝てる力が欲しい」と唇をかんだ。大菅小百合(大和ハウス)は「結構きつい。えーって感じで何かショック」とうなだれた。日本勢の本音だろう。(畔川吉永)  ◆「世界」避けアジアV  〇…王北星は2位に0秒85差で圧勝、国旗を手に笑顔を振りまいた。カナダ人のクロケット・コーチが「金メダルを取る」と予言した通り。世界スプリントを回避し、アジアに照準を合わせた成果だった。トリノ五輪では不満の残る7位だった21歳の、次なる目標は「五輪で国旗を掲げたい」。コーチはこうも予言している。「彼女はいつか、五輪金メダリストになる」  ◆恩田「思った通り」  〇…距離スキーの男子スプリントを制した恩田は、「思い描いていた通りの展開」と胸を張った。スタート直後から2番手につけ、後半勝負に持ち込む作戦。ゴール前約200メートルで、カザフスタンの選手を一気に追い抜き、両手を突き上げてゴールインした。来月札幌で行われる世界選手権を見据え、「目標は世界の表彰台。アジアで負けるわけにいかないでしょう」と自信を深めた様子だった。  写真=男子500メートルで銅メダルに終わり、浮かない表情の及川=佐藤俊和撮影