静岡のサッカーの将来などについて、日本サッカー協会副会長の釜本邦茂さん(62)と、元清水エスパルスで元日本代表の沢登正朗さん(37)が話し合う「第10回サッカートークスタジアム」(静岡市主催)が、静岡市清水区島崎町の清水テルサで開かれた。大物ゲストの登場に、会場には満員の約300人が集まった。  県内の高校チームの低迷について、東海大一高(現東海大翔洋高)2年の時に、全国高校選手権で優勝した沢登さんは「初出場だったが、優勝できると自信があった。県大会の方が大変だった」と当時の県内のレベルの高さを振り返り、今年優勝した盛岡商を例に挙げ、「地方のレベルが上がっている」と語った。  ジュビロとエスパルスという二つのプロチームがあり、有望選手がプロの下部組織に流れる現状に触れながら、「選手権も素晴らしい目標。人生を変えてくれたのが選手権だった。プロ出身者が高校で教えるなど、これからいろんな取り組みが必要」と提案した。  一方、ドイツワールドカップで日本代表選手団長を務めた釜本さんは「チームありきではなく、個々の選手のレベルを上げるために何をしたらいいのかを考えてほしい」と訴えた。  清水エスパルス一筋で現役を終えた沢登さんが過去2回移籍を考えた話や、釜本さんから前日本代表監督のジーコ氏の采配(さいはい)の批判が飛び出し、会場は盛り上がった。  最後に、司会者が「いずれエスパルス監督に」と沢登さんに問いかけると、会場から大きな拍手が起こった。  写真=軽快なトークを繰り広げた釜本さん(左)と沢登さん