ドイツのスポーツ教師が、ブラジルの伝統的なゲーム「ペテカ」を母国に持ち帰って考案したといわれる「インディアカ」。羽根付きで重さ約50グラムのボールをネット越しに打ち合う競技で、1930年代からドイツを中心にヨーロッパで普及した。国内でも80年、日本インディアカ協会が設立され、現在は1万3000人の指導者と100万人の愛好者がいるという。  「ナイス」「お願い」――。府中市総合体育館では毎週木曜日、同市インディアカ協会所属の女性チーム「すみれ」が練習に汗を流している。この日は、スパイクなどの基本と試合形式の練習。代表の当間夕起恵さん(39)は「うちのチームは、楽しんでやっています」と話すが、メンバーの表情は真剣そのもの。レシーブ、トス、スパイクと長いラリーが続く。強烈なスパイクも拾い、滑り込んでレシーブを返す場面も見られた。  試しに練習に交ぜてもらう。こぶしほどの大きさのボールを、手のひらで打ち返すのは意外に難しくない。当間さんは「バレーボールに比べると、軽いし、痛くない。運動経験がなくても簡単にできます」と笑顔を見せた。  インディアカの試合は4人制で、バドミントンと同じ広さのコートで行われる。ネットの高さは女子だと185センチ。手を伸ばすだけで相手の攻撃をブロックすることも可能で、身長差を気にせずプレーできることも人気の秘訣(ひけつ)だ。基本的なルールはバレーボールと同じだが、ブロック以外で両手を使うことはできず、ひじから下以外の体にボールが当たっても反則となる。  府中市では、「すみれ」など計12チームがインディアカ協会に登録。昨年は、関東甲信越大会が市内で開かれるなどインディアカが盛んな地域だ。羽根が付いているため不規則に動くボールで平行トスをし、クイック攻撃をする本格派のチームもあるという。当間さんは「大会に出ているチームは年代も様々。すぐに上達できるし、長く楽しめます」と魅力を語った。      ◇  市内チームへの参加問い合わせなどは、市体育課振興係((電)042・335・4477)。  写真=練習に汗を流す「すみれ」のメンバー